ゴミ屋敷と化したマンションの一室。住人が退去した後その部屋を再び人に貸せる状態に戻すための「原状回復費用」は一体どれくらいになるのでしょうか。その費用は通常の退去とは比較にならないほど高額になります。その恐るべき費用の「内訳」を見ていきましょう。まず費用の大部分を占めるのが「ゴミ・不用品の撤去処分費」です。これは専門の清掃業者に依頼することになり部屋の広さやゴミの量によって10万円から時には50万円以上かかることもあります。この費用だけで既に敷金の額を大きく超えてしまうことがほとんどです。次にゴミがなくなった後に必要となるのが「リフォーム・修繕費用」です。長年放置されたゴミによって部屋は深刻なダメージを受けています。床の張り替えはフローリングや畳はシミだらけになり腐食していることが多く全面的な張り替えが必要となります。費用は6畳間で10万円から20万円程度が目安です。壁紙(クロス)の張り替えも悪臭やタバコのヤニ、カビなどが深く染み付いているため全面的な張り替えが必須です。費用は6畳間で5万円から10万円程度です。ハウスクリーニング・特殊清掃費はキッチン、浴室、トイレなど水回りの頑固な汚れやカビを徹底的に洗浄します。また部屋全体に染み付いた強烈な悪臭をオゾン脱臭機などで除去する特殊な消臭作業も必要となります。これらの費用は合わせて5万円から15万円以上になることもあります。その他ドアや窓、収納設備などが破損している場合はその交換費用も追加されます。これらの費用を全て合計するとワンルームのマンションであっても原状回復費用が50万円から100万円近くに達することも決して珍しいことではないのです。