プロの清掃員も実践している最も基本的な汚部屋片付け方は、まずゴミを捨てることと物を整理することを完全に切り分けることにあります。多くの人が失敗するパターンは、まだゴミが大量に残っている段階で、収納ボックスを買ってきたり、棚に物を並べ直したりしようとすることです。これでは物の位置が移動しただけで、総量は変わらず、結果としてすぐに元通りになってしまいます。手順の第一段階は、まず明らかなゴミを徹底的に排除することです。部屋の中に散乱している食べ残しの容器、空き缶、ペットボトル、期限切れのクーポンや雑誌などを、思考を介さずに機械的にゴミ袋へ詰め込んでいきます。この段階では、まだ思い出の品や判断に迷う洋服などは一切触りません。視覚的なノイズとなっているゴミを消し去るだけで、部屋の空気は劇的に変わり、次に何をすべきかが自然と見えてくるようになります。第二段階は、床面積を確保することです。汚部屋の住人は床に物を置く癖がありますが、床が見えない状態は精神的な圧迫感を生み、思考を鈍らせます。まずは玄関から部屋の中央、そして窓際へと、人が歩ける通路を確保するように物を寄せていきます。このとき、床に落ちている物を衣類、本、雑貨といった大まかなカテゴリーに分けて、それぞれの山を作っていきます。第三段階で初めて、それらの山の中身を必要、不要、保留の三つに選別していきます。保留の箱を作ることは非常に重要で、迷って手が止まってしまう時間をゼロにすることができます。保留にしたものは、一ヶ月後に再度見直すという期限を設けることで、最終的な処分を促します。そして第四段階で、ようやく必要と判断された物を適切な場所に配置していきます。収納のコツは、アクション数を減らすことです。引き出しを開けて、さらに蓋を開けて、という手間がかかる収納は、汚部屋に戻る原因となります。ワンアクションで置ける、あるいは掛けるだけの収納を心がけることが、綺麗な状態を持続させるための鉄則です。この手順を一歩ずつ着実に進めることで、どんなに深刻な汚部屋であっても、確実に終わりへと近づくことができます。手順を信じて、目の前の一個を捨てることから始めてみてください。