私たちプロの清掃業者がゴミ屋敷や汚部屋の現場に踏み込む際、最も難易度が高いと感じるのが「大量の紙類」が堆積した部屋です。本、雑誌、新聞、そしてバラバラの書類。これらは水分を吸収しやすく、時間が経てば経つほど重くなり、さらには害虫やカビの温床となります。大量の紙類を効率的に、かつ安全に処分するための手順には、プロならではのノウハウがあります。まず最初に行うのは、部屋の四隅ではなく「中央」のスペースを確保することです。汚部屋の片付けでは、一箇所に陣地を作り、そこを拠点に作業を進めるのが鉄則です。紙類を処分する際、最も注意すべきは腰への負担と怪我です。本は紐で縛ってまとめようとせず、まずは丈夫な段ボール箱に詰め込むのが最も効率的です。このとき、箱いっぱいに本を詰めると女性や高齢者では持ち上げられなくなるため、七分目程度に抑えるのがポイントです。次に、処分手順として「分別の徹底」が挙げられます。本や雑誌は資源ゴミとなりますが、中には個人情報が含まれる書類や、プラスチック製の付録がついた雑誌なども混じっています。汚部屋の住人が自分で行う場合、この分別で迷って作業が止まってしまいがちですが、プロは機械的にこれらを仕分けていきます。また、掃除の途中で見つかる「貴重品」や「重要書類」を一時保管するためのボックスを必ず用意します。本の中には現金が挟まっていたり、大切な契約書が紛れ込んでいたりすることが非常に多いからです。紙の山を崩す際は、上から一段ずつ取り除き、決して一気に崩してはいけません。雪崩のように崩れた本の重みで怪我をする恐れがあるからです。大量の紙類を運び出した後には、必ず強力な業務用掃除機で埃を吸い取ります。紙が溜まっていた場所の埃は非常に細かく、吸い込むと呼吸器疾患の原因になるため、防塵マスクの着用は必須です。汚部屋から紙の山が消えた後には、部屋全体の除菌と消臭を行い、紙から移った独特の臭いや湿気を取り除きます。プロの仕事は、単に物を出すことではなく、そこを再び「人間が健康に暮らせる場所」にすることです。大量の紙類という名の重荷を、安全かつ確実に排除するための手順を知ることは、汚部屋からの脱出を確実に成功させるための大きな力となるでしょう。
汚部屋清掃のプロが教える大量の紙類の処分手順