ゴミ屋敷での生活を象徴する最大級の「あるある」が、必要な物が見つからないために、同じ物を何度も買い足し、それがさらに部屋を圧迫するという「負のループ」なのです。ハサミ、爪切り、印鑑、充電器、予備の洗剤。これらはゴミ屋敷の地層のあちこちから、未開封の状態で発掘されます。住人は、何かが必要になったとき、山積みのゴミの中から探し出すよりも、近くのコンビニや百円ショップで新しい物を買ってくる方が「楽で、効率的だ」と判断してしまいます。この「探し物より再購入」あるあるは、一見すると合理的なようでいて、その実、部屋のキャパシティを急速に奪い、経済的にも住人を追い詰めていく恐ろしい習慣なのです。また、これに関連して、コンビニ袋をそのまま「収納」として使ってしまうのも定番のあるあるです。買った物を袋から出さず、そのまま床に置く。それが溜まると、どこに何があるか分からなくなってしまい、また新しい物を買ってくる。この連鎖が、数ヶ月のうちに床を完全に消し去ります。さらに、ゴミ屋敷あるあるとして「重要な書類をゴミと一緒に捨ててしまう、あるいは紛失する」という問題があります。公共料金の督促状、役所からの通知、銀行の通帳などが、チラシやゴミの山に紛れてしまい、気づいたときにはライフラインが止まっていたり、法的なトラブルに発展していたりします。探し物が見つからないという小さなストレスは、やがて「自分の生活をコントロールできていない」という巨大な無力感へと変わり、住人の精神をさらに疲弊させます。ゴミ屋敷にある大量の未開封の品々は、住人がかつて「これを使って生活を整えよう」とした、儚い決意の残骸でもあります。負のループを断ち切るためには、物の住所を決め、自分の持ち物を把握するという極めて基本的な能力を取り戻す必要がありますが、ゴミの山の中ではその第一歩を踏み出すことさえ、エベレストを登るような困難を伴うのです。
探し物が見つからず同じ物を何度も買う「負のループ」あるある