私のインスタグラムのフォロワーは、今の私の整然とした北欧風の部屋を見て、かつてそこが足の踏み場もない汚部屋だったとは想像もしないでしょう。私の汚部屋化の主犯は、他でもない「積読(つんどく)」でした。書店に行くたびに自分の知的好奇心を刺激するタイトルに惹かれ、読みもしないのに「いつか役に立つ」という免罪符で本を買い続け、気づけば部屋の至る所に本のタワーがそびえ立つ有様でした。汚部屋特有の澱んだ空気と、どこから手を付けていいか分からない絶望感。私はいつも、新しい本を買うことでその現状から目を逸らしていました。しかし、ある朝、寝返りを打った拍子に本の山が崩れ、自分の上に降ってきたとき、私はこの汚部屋という物理的な重圧から解放されたいと強く願いました。私の断捨離は、まず「積読本」を全て一箇所に集めることから始まりました。数えてみると、未開封のままの本が百冊以上もありました。それらは知識ではなく、ただの「未完了のタスク」として私の潜在意識を圧迫していたのです。私はそれらを一冊ずつ手に取り、「今の私」が必要としていないものは全てメルカリに出品するか、古本屋へ持ち込みました。掃除が進むにつれて、部屋の床面積が広がっていくのと同時に、不思議と私の心の中の霧も晴れていきました。汚部屋を脱出した後の私の日常は、驚くほどシンプルで充実したものに変わりました。かつては汚い部屋に帰るのが苦痛で、外で時間を潰していましたが、今は仕事が終わると真っ先にこのお気に入りの空間に帰りたくなります。掃除機をかけるのが楽しくなり、朝の光が差し込む床を眺めるだけで幸せを感じます。現在の私のルールは、新しい本を一冊買ったら、今ある本を一冊手放すという「循環」です。汚部屋という過去を清算したことで、私は「物」に振り回される生活から、「空間」を愛でる生活へとシフトすることができました。掃除は一回きりのイベントではなく、自分を心地よく保ち続けるためのセルフケアだと気づきました。積読本という名の執着を手放したことで、私はようやく、本当の意味で自分自身の時間を読み始めることができたのです。汚部屋から抜け出した先には、想像もしていなかった清々しい世界が広がっています。